
コーディネーショントレーニングは、現在ではプログラムとして様々なスポーツに取り入れられ、確立されつつあり、約40年前に旧東ドイツのスポーツ運動学者が、アスリートを育成する為に国策として考案したトレーニング方法です。
脳の働きを活性化させ、情緒面の改善開発に繋がるとも言われていて、運動神経が良くなるとも言われています。
脳科学の分野での話しが多く紹介され、専門の話しを聞ける機会が増えている現代では、脳と身体を繋ぐコーディネーショントレーニングの重要性を感じる方は多いのではないでしょうか。
神経系のトレーニングは、12歳までが大切と言われていますが、日常の生活の中で、誰もが使っている部分なので、特に生涯スポーツと言われているゴルフには、年代を問わず大切で、必要性を感じる方も多いのではないでしょうか。
今回のテーマは、コーディネーショントレーニングの概要をご紹介させて頂きます。
コーディネーション 7つの能力とは、、、
① 定位能力 空間把握能力で、自分の身体の位置、動いているものと自分の位置関係を把握する能力で、上下左右前後と様々な空間を使って動作するトレーニングです。
具体的な方法としては、
馬跳びして股くぐりを繰り返す
キャッチボール
回りながらのジャンプ
身体を正確に素早く動かし、各部位、身体の位置が正しいかを意識します。
ゴルフの感覚としては、
ターゲットやハザードまでの距離感
スウィング中の身体の動きを感じる能力
クラブフェースのロフト角やフェースの向きを見て、弾道の高さをイメージする
② 識別能力 道具や身体を使ったり、エネルギーのロスを無くした動作を身につけるトレーニングです。全てのコーディネーショントレーニングを含んだ実践的なトレーニングです。
具体的には、
障害物競走
野球のバッティング
ゴルフのショット自体がその練習になるとも言えます
ゴルフの感覚としては、
ゴルフの場合は14本のクラブを使い、クラブヘッドの種類、シャフトの重さ、しなり方、ショットのタイミングやスウィングスピードの出し方なども道具によって異なるので、早い段階で道具を知り、道具に対応する事が必要とされます。
③ 連結能力 身体全体をスムーズに動かす能力、筋肉や関節を連動させる能力を高めるトレーニングです。
具体的には、
走りながら腕を回す
スキップしながら頭の上、身体の前後で手を叩く
出来るだけ身体の無関係な部位を複数同時に動かす
ゴルフの感覚としては、
ゴルフのスウィング中の動きは、身体全体を使い、多くの部分の捻り、テコの原理、地面からの反力、支点での反作用の力などを、連動動作の中で上手に使う必要があります。多くの関節、筋肉などの動きは意識して全てをコントロール出来ないので、無意識下に連動、連結出来るのが理想です。
④ バランス能力 身体のバランス感覚を養うトレーニングです。静止時、動作時に関わらず、身体の姿勢を維持、安定を目指します。バランスを正しく保ち、崩れた姿勢を立て直す能力です。
具体的には、
片足立ちで10秒キープ
片足での縄跳び
逆立ち
ゴルフの感覚としては、
ゴルフではアドレスでのバランス感覚、ターゲットへのアライメント、平行感覚、エイミング( 当てたい時に当てたい箇所に当てる能力 )と言った感覚、傾斜地でのターゲット方向やバランス感覚を保つ事、グリーン上での微妙なアンジュレーションでのエイミング、バランス感覚は無意識でプレーしているが、重要度が高いポイントですね。
⑤ 反応能力 合図に素早く反応して、適切に対応する能力 目で見る、音を聞く、触れてもらうなどを合図に素早く反応し、正確な動作を行うトレーニングです。
具体的には、
後出しジャンケン
掛け声で動作
見えない所から飛んでくるボールを合図でボールを見つけてキャッチ
ゴルフの感覚としては、
ゴルフでは、ティーショットからグリーン上のパッティングまで、18Hの中で、1打 打ってからのインターバルが約5分〜8分あり、その中で集中力をON OFF を繰り返し行うスポーツです。18Hは、少なくとも4時間〜要するゲームになり、自分の意識の合図でショット毎の集中をコントロールする必要があります。
自分の意志、合図で距離、弾道、スウィングのイメージをして、動作( スウィング )に反応する必要があります。
⑥ 変換能力 状況の変化に合わせて素早く動きを切り替え、筋肉の使い方を素早く変えたり、関節の動かし方を変えたりする事で動作の切り替えや、動作を調整する能力を高めるトレーニングです。
具体的には、
距離を変えた的当て
違う重さ、大きさのボールを使った的当て
スピードを変えたダッシュ
同じ動作を行う中で、瞬時にスピードを変えたり、負荷を変えたり、状況の変化に合わせて力加減の切り替えを行うトレーニングです。
ゴルフの感覚としては、
ゴルフでは、風が回っていて、真逆の風に変わった時にプレショットの数秒でクラブや弾道のイメージを変えなければならない時もあります。又、無意識下で、速くなったスウィングリズムやテンポに身体はある程度感覚的に反応して対応しています。
⑦ リズム能力 リズム感を養い、動くタイミングを上手に掴む能力、目で見たり、耳で聞いたりした情報からタイミング良く身体を動かす能力を高めるトレーニングで、繰り返しの動作が基本要素になります。
具体的には、
縄跳び
けんけん
スキップ
同じリズムで動作を繰り返す事がポイント
ゴルフの感覚としては、
リズム、テンポ、タイミングはあらゆる要素に大切なポイントです。ラウンド中の歩くリズムはスウィングリズム、テンポに繋がります。呼吸のリズムは交感神経を抑え、副交感神経とのバランスを保ち、心拍数にも影響します。心拍数の上昇は、スウィングの力み、スウィングテンポが速くなり、リズムテンポはトップの切り返し、インパクトのタイミングに悪影響を及ぼします。
繰り返しのリズム、テンポの反復はゴルフのゲーム、プレー、スウィングにとても重要ですね。
コーディネーショントレーニングは年齢を問わず、大切な分野だと認識していただけたかと思います。
ゴルフの打つ練習が出来ない時も、身体を正確に動かす神経系のトレーニングは、コンディションの維持以上の成果を自分に実感出来るトレーニングとして、ゴルフを楽しむ季節の、春、夏、秋には特に部分的な筋トレ以上にお薦めのトレーニング方法です。
身体の出来上がる前のジュニアにも、過度の筋肉系トレーニングでは無く、身体の成長を妨げない、バランスの良いトレーニング方法が重要な事は皆さん知っての通りだと思います。
コロナウィルスに負けず、自宅でも出来るコーディネーショントレーニングをご紹介させて頂きました